感謝・価値・信頼
斎藤一人は、人を見る目と同様にお金を経営資源の重要な要素として説いている。彼にとってお金は目的ではなく、人生の副産物であり、先に心を整えることで自然と集まると語る。その鍵が「お金を引き寄せる3原則①感謝②価値ある存在であること ③信頼が先にあること」である。
感謝すること
斎藤一人にとって、感謝とは単なる礼儀ではなく人生を動かす波動である。彼はしばしばありがとうという言葉は、宇宙銀行の通帳に貯まると表現した。人は不満を言えば不満を呼び、感謝をすれば感謝すべき現象が起こる。これを彼は波動の法則と呼び、豊かさとは感謝という周波数に同調した時に流れ出すと説いた。
彼はまた、ありがたいと思える心を持つ人は、すべての出来事に学びを見いだし、人生を前向きに解釈できると語る。すると、人間関係が柔らかくなり、チャンスが見えやすくなる。お金は感謝の多い人のところに流れやすいというのも、斎藤一人の代表的な思想である。感謝は心の姿勢であり、それが周囲の人に安心感を与え結果として豊かさを生むのだ。
価値ある存在であること
お金とはエネルギーであり、価値と交換されるものである。つまり、自分の価値が高まれば、自然とお金の流入も大きくなる。斎藤一人は、自分の魅力を磨き、相手を喜ばせる力をつけることが最も再現性の高い成功法則だと述べる。彼にとって価値とは学歴や資格ではなく、この人と一緒にいたい、この人から買いたいと思わせる人間的魅力のことである。
その価値は、笑顔、明るさ、ユーモア、誠実さといった日常の小さな態度によって形成される。斎藤一人はそれを魅力という名の通貨と呼ぶ。魅力ある人は人を喜ばせ、元気にし、希望を持たせる。そのような人には、人も情報も富も自然と集まる。価値のある人になれば、努力しなくても豊かになると彼が語る。価値とは外側の成果ではなく、内面の響きが周囲に伝わった結果として現れるものだからだ。
信頼が先にある
斎藤一人は常にお金より信用の方が何倍も価値があると語ってきた。信頼は目には見えないが、社会で最も大きなエネルギーである。信頼を積み重ねた人の元には、人が集まり、協力が集まり、結果としてお金が流れ込む。お金を得ようとして人を利用する人は、一時的に成果を得ても長続きしない。しかし、信頼を積む人は長期的に繁栄する。
斎藤一人が重視した信頼とは、「約束を守る」「誠実である」「嘘をつかない」「人を傷つけない」「相手を安心させる」という、ごく基本的な人間としての態度である。能力より信用、才能より人柄。この価値観が人との永続的な関係を生み、その関係が何年も経ってから驚くような形で豊かさをもたらす。ビジネスで成功する人の多くがこの信用の貯金を大切にしている。
