1.核保留政策の提言
2.核保留政策の評価
3.核保留政策の推進(核弾頭とミサイル技術)
4.核保留政策の推進(潜水艦)
5.核保留政策のパートナー
6.サイバーインテリジェンスシステム
はじめに
本サイトは、これまでの次元を超えて、日本の安全保障を向上させる実現可能で具体的施策を打ち出すために一石を投じるものである。ここではまず、核保留政策とその実効性を支援するサイバー・インテリジェンス・システムを提言する。いずれの施策もその実現には様々な困難を伴うであろうが、愛する日本を守り、愛する人を守るために、英知を結集して日本の次世代を切り開いて行きたいと切に願っている。志ある方と力を合わせ、より現実的で実現可能な内容にブラシュアップして行きたい。國井正人
提言骨子 Outline of Recommendations
日本の安全保障を図る上で「日本は核保留政策を明示してとりながら、核共有政策(核シェアリング)を排除しない」とのスタンスをとるのが現実的であると提言したい。
核保留政策の推進にあたっては「核弾頭は当面自製しないことを明言しながら、潜水艦搭載の準備を進める」ことを提言する。
核保留政策を推進するに当たっては、その実効性を支援する意味でもサイバー・インテリジェンス・システムを整備することを提言する。
In securing Japan’s safety, it is realistic to adopt a stance that Japan should explicitly implement a nuclear hedging policy while not ruling out a nuclear sharing policy.
In promoting the nuclear hedging policy, Japan will clearly state that it will not produce nuclear warheads for the time being. However, it is crucial to maintain the technical preparations and infrastructure necessary for equipping submarines with nuclear warheads.
To effectively promote the nuclear hedging policy, it is important to develop cyber intelligence systems and clarify the actions of potential enemy nations and anti-Japanese forces to deter them.
核武装・核共有・核保留政策
核政策には大きく3つの政策がある。核武装政策、核共有(核シェアリング)政策、核保留政策である。日本が核武装政策をとることは非現実的であるので、検討すべきは核共有と核保留政策である。
非核政策
日本国家の安全保障を図る上で、核政策は避けて通ることはできない。核保有国ロシアがウクライナに核恫喝(核による攻撃の可能性に言及する戦争戦略)を実際に行った現在、それは危急・不可欠のイシュー(解決しなくてはならない課題)である。核政策として日本はこれまで米国の核の傘に守られているので、非核政策という核政策をとってきた建前になっているが、核保有国ロシアが非核保有国ウクライナに核恫喝を行った際、米国は結局のところ対峙することを避け、NATO諸国も及び腰で、ロシアによる核抑止が立証されてしまった。
ひるがえって、中国が台湾に侵攻し、その際に日本に手出し無用の核恫喝を行った場合、日本は沈黙するしかない。日本領土へ侵攻し核恫喝をされた場合はなおさらである。米国が自国への核攻撃リスクを押しのけて日本のために応戦してくれるなど思いもよらない。日米安保の同盟があろうが、米国の応戦には米議会の承認が必要であり、米国議会が承認しないのは明らかである。米国の核抑止は当然のことながら自国のためのものであり、日本の核抑止は真意としては想定外であると理解しておかなくてはならない。
核共有(核シェアリング)政策
核共有は、核兵器を保有している国が、非核保有国と戦略的パートナーシップを結び、その非核国に核兵器の運用に関する一定の権限や能力を提供する政策である。核共有は、NATO(北大西洋条約機構)内で既に存在する。すなわちドイツは米国との間で核共有している。共有される核兵器は、物理的には核兵器を保有する国(米国)の管理下にあるが、緊急時には両国合意の下でドイツが核兵器を運用することが可能とされる。
核保留政策
一方核保留政策とは、核兵器を実際に保有するのではなく、将来的に核保有の選択肢を排除しないが、現在は核保有することを保留する政策である。言い換えれば核兵器を持つ意向は現時点ではないが、国際環境の変化や安全保障の懸念に応じて将来的に核保有する可能性を排除しないという立場を取るものである。そのための技術的な準備や体制整備だけは怠らないという政策である。
1.核保留政策の提言
2.核保留政策の評価
3.核保留政策の推進(核弾頭とミサイル技術)
4.核保留政策の推進(潜水艦)
5.核保留政策の潜在パートナー
6.サイバーインテリジェンスシステム