経済行動と人間心理

Misbehaving
The Making of Behavioral Economics
2015年刊
Richard H. Thaler著

著者の経歴

リチャード・H・セイラーは1945年、米国ニュージャージー州に生まれた経済学者である。ケース・ウェスタン・リザーブ大学を卒業後、ロチェスター大学で経済学博士号を取得した。ロチェスター大学、コーネル大学を経て、シカゴ大学で教鞭を執った。心理学者カーネマン、トベルスキーらの研究に影響を受け、心理学と経済学を融合した行動経済学を発展させた。2017年、行動経済学への貢献によってノーベル経済学賞を受賞した。

本書の内容

1.合理的人間の幻想

セイラーは、従来の経済学が想定してきた人間像に疑問を投げかける。標準的な経済理論では、人間は自分の好みを明確に理解し、利用可能な情報を合理的に処理し、常に自分にとって最も有利な選択を行うと仮定される。セイラーは、このような理論上の人間をエコン(Econs)と呼び、現実に生活している普通の人間をヒューマン(Humans)と呼んで区別する。エコンは感情に左右されず、過去に支払った費用に執着せず、利益と損失を冷静に比較して行動する。しかし現実の人間は、衝動買いをし、不要なものを捨てられず、損をしたくないという気持ちから不合理な判断を繰り返す。セイラーは、こうした行動を単なる例外や個人の失敗として扱うことに反対する。なぜなら、現実の人間が同じような間違いを繰り返すなら、それは予測可能な行動であり、経済学が説明すべき重要な現象だからである。経済学の目的は、理想的な人間がどう行動すべきかを説明することではなく、実際の人間がなぜそのように行動するのかを理解することである。

2.奇妙な行動の記録

セイラーが行動経済学の研究を始めたきっかけは、日常生活の中で観察した奇妙な経済行動であった。彼は、合理的な経済理論では説明できない人間の行動を見つけるたびに、それを記録していった。例えば、人々は自分が所有している物に、同じ物を所有していない人よりも高い価値を認める。また、無料でもらったチケットを使わずに済ませることはできても、高額で購入したチケットを使わないことには強い抵抗を感じる。更に、同じ金額の利益や損失でも、その金がどこから来たか、どのような目的に使う予定だったかによって判断が変わる。標準的な経済理論では、こうした事情は本来、経済的な意思決定に影響しないはずである。セイラーは、経済学者が重要ではないと考えてきた要因こそ、人間の行動を理解する鍵になると考えた。彼は、こうした現象を一つずつ研究することによって、従来の経済学が見落としてきた人間心理の規則性を明らかにしていった。

3.保有効果

セイラーの代表的な研究の一つが保有効果である。これは、人間がある物を所有すると、所有する前よりもその物を高く評価する傾向を指している。例えば、ある人が自分の持っているマグカップを売る場合、売却するためには比較的高い金額を要求する。しかし、同じマグカップをまだ所有していない人は、それほど高い金額を払ってまで購入しようとはしない。標準的な経済理論では、商品の価値は所有の有無によって大きく変わらないはずである。しかし現実には、人々は一度手に入れた物を失うことに強い抵抗を感じるため、売却する際の希望価格が購入する際の希望価格より高くなる。セイラーは、この現象が不動産、株式、企業の資産売却など、様々な経済行動に影響すると考える。人々は所有しているという事実だけで物の価値を高く評価し、合理的な価格での売却をためらう場合がある。保有効果は、経済的な価値が客観的な条件だけでなく、人間の心理的な立場によって変化することを示している。

4.損失への恐怖

セイラーは、カーネマンとトベルスキーが発展させたプロスペクト理論に強い影響を受けた。この理論では、人間は同じ金額の利益と損失を対称的に評価するのではなく、損失を利益よりも強く感じる傾向があると考える。例えば、1万円を得たときの喜びよりも、1万円を失ったときの苦痛の方が大きく感じられる場合が多い。こうした損失回避は、投資、消費、交渉などに広く影響する。投資家は値上がりした株式を早く売却して利益を確定する一方、値下がりした株式は損失を認めたくないために保有し続けることがある。また、企業経営者は、既存事業が将来の成長を期待できなくなっても、過去の投資を失うことへの抵抗から撤退をためらう場合がある。セイラーは、人間が利益を最大化することよりも、損失を避けることを優先する傾向を理解することが、実際の経済行動を説明するために重要だと考えた。

5.心の会計

セイラーが提唱した重要な概念がメンタル・アカウンティング(心の会計)である。標準的な経済理論では、同じ金額のお金は、どのような経緯で得られたものであっても同じ価値を持つ。しかし現実の人間は、お金を用途や入手方法によって心理的に分類し、それぞれ別の財布に入っているかのように扱う。例えば、毎月の給与から得た1万円は慎重に使う一方、予想外の臨時収入として得た1万円は気軽に使ってしまうことがある。また、旅行のために貯めたお金は自由に使うのに、生活費として確保したお金には手をつけたがらない。こうした行動は、経済学的には必ずしも合理的ではないが、現実の家計管理では広く見られる。心の会計は人々の消費や貯蓄の判断を左右する一方、支出を管理し、無駄遣いを抑えるために役立つ場合もある。人間は全てのお金を一つの勘定として扱うのではなく、心理的な分類によって自分の行動を調整している。

6.得と損の錯覚

消費者は商品の価値を判断する際に、実際に得られる利益だけでなく、取引が得か損かという感覚を重視する。例えば、普段は1万円で売られている商品が7,000円に値下げされていれば、消費者は3,000円得をしたと感じる。しかし、その商品が本当に7,000円の価値を持つかどうかは、値下げ前の価格とは別の問題である。また、同じ飲み物でも、高級ホテルで購入する場合には高い価格を受け入れる一方、安価な商店で同じ価格を提示されると不当だと感じることがある。セイラーは、このように取引の条件や比較対象によって生まれる満足感を取引効用として説明する。消費者は商品の効用だけでなく、取引が公平であるか、割安であるかという心理的な評価によって購入を決定する。この考え方は、企業の価格設定、割引販売、広告、ブランド戦略などを理解する上で重要な意味を持つ。

7.埋没費用の罠

セイラーは、人間が過去に支払った費用にとらわれ、将来の合理的な判断を誤る現象を取り上げる。経済学では、既に支払って回収できない費用を埋没費用(Sunk Cost)と呼ぶ。合理的な判断では、過去に支払った費用ではなく、これから得られる利益と必要な費用を比較すべきである。しかし現実には、人々は高額なチケットを購入したという理由だけで、体調が悪くても公演へ出かけたり、楽しめなくなった娯楽を続けたりすることがある。企業経営でも、巨額の資金を投じた事業が失敗しつつある場合、経営者は過去の投資を無駄にしたくないという理由から、追加投資を続けることがある。こうした行動は過去の損失を認めることへの心理的な抵抗から生じる。埋没費用の罠を避けるためには、過去にいくら支払ったかではなく、現在の時点から見て、その行動を続けることが本当に望ましいかを判断する必要がある。

8.自制心の問題

従来の経済学では、人間は長期的な利益を理解していれば、それに従って行動できると仮定される。しかし、現実の人間には、自分にとって望ましい行動を理解していても、それを実行できないという問題がある。例えば、健康のために食事を制限しようと考えていても、目の前に好物があれば食べてしまう。また、老後のために貯蓄する必要を理解していても、現在の消費を優先してしまう。セイラーは、このような行動を単なる意志の弱さとして片づけず、人間の意思決定には短期的な欲望と長期的な計画の対立が存在すると考えた。人間は将来の利益を重視する一方、現在の誘惑に強く影響されるため、合理的な計画を立てても実行できない場合がある。セイラーは、この問題を理解することが、貯蓄、健康、教育、依存症などの政策を考える上で重要だと論じる。

9.計画者と実行者

セイラーは、人間の心の中には計画者と実行者という二つの側面が存在すると説明した。計画者は長期的な利益を考え、将来のために貯蓄し、健康的な生活を送り、合理的な判断をしようとする。一方、実行者は目の前の欲望や感情に影響され、現在の満足を優先する。この二つの側面が対立するため、人間は自分で立てた計画を守れないことがある。例えば、毎月一定額を貯蓄すると決めても、自由に使えるお金があれば予定外の買い物をしてしまう。セイラーは、この問題を解決するために、あらかじめ自分の選択肢を制限する仕組が有効だと考える。給与から一定額を自動的に貯蓄する制度や、誘惑を避けるために環境を整える方法は、その具体例である。重要なのは、人間が常に強い意志を持つことを期待するのではなく、意志の弱さを前提として、望ましい行動を続けやすい制度を作ることである。

10.公平感と経済

セイラーは、人間が自分の利益だけでなく、公平さや正義感によって経済的な判断を行うことにも注目した。標準的な経済理論では、消費者は価格が安ければ購入し、企業は利益を最大化する価格を設定すると考えられる。しかし現実には、人々は取引が不公平だと感じると、自分にとって経済的な利益があっても取引を拒否する場合がある。例えば、需要が急増した商品について、企業が価格を大幅に引き上げれば、経済学的には合理的な価格調整であっても、消費者は便乗値上げだと感じることがある。逆に、原材料費が上昇したために価格を引き上げる場合には、同じ値上げでも比較的受け入れられやすい。セイラーは、人々が価格の水準だけでなく、その価格がどのような理由で決められたかを重視していると考える。企業は短期的な利益を最大化するだけでなく、顧客や従業員が何を公平と感じるかを理解しなければ、長期的な信頼を失う危険がある。

11.最後通牒ゲーム

人間が必ずしも自己利益だけで行動しないことを示す実験として、セイラーは最後通牒ゲームを取り上げている。このゲームでは、二人の参加者に一定の金額を分配する機会が与えられる。一人が分配案を提示し、もう一人がそれを受け入れれば、提示された金額が双方に支払われる。しかし、相手が拒否すれば、どちらも何も受け取れない。標準的な経済理論では、受け取る側はゼロより多い金額であれば受け入れるはずである。しかし実際の実験では、あまりに不公平な分配案を提示された人が、たとえ自分の利益を失っても拒否することがある。セイラーは、この結果が人間の経済行動における公平感や感情の重要性を示していると考える。人々は金銭的な利益だけを追求するのではなく、不公平な扱いを受けたことへの怒りや、相手の行動を罰したいという感情によって判断する場合がある。こうした心理を理解しなければ、賃金交渉、価格設定、契約などの現実の問題を十分に説明することはできない。

12.経済学界との論争

セイラーの研究は、当初、経済学界から強い批判を受けた。特に合理的な意思決定を前提とする経済学者たちは、人間の心理的な偏りを経済理論に取り入れることに懐疑的であった。彼らは、人々が日常生活で間違いを犯すことは認めても、そうした間違いは経済全体を分析する上では重要ではないと考えていた。また、市場では非合理的な判断をする人々が損失を被り、合理的な人々が利益を得るため、長期的には合理的な行動が支配的になると主張した。セイラーは、こうした批判に対して、人間の非合理的な行動が偶然ではなく、一定の規則性を持って繰り返されることを示そうとした。彼は心理学の実験や経済データを利用し、標準的な経済理論では説明できない現象を研究した。更に、カーネマンやトベルスキーらとの交流を通して、心理学の知見を経済学に導入する研究を進めた。行動経済学は、既存の経済学を全面的に否定するのではなく、その説明力を高めるために人間心理を取り入れようとする学問として発展していった。

13.金融市場の非合理

セイラーは、行動経済学の考え方を金融市場にも応用した。標準的な金融理論では、株価は利用可能な情報を迅速に反映し、合理的な投資家の判断によって適正な水準に形成されると考えられる。しかし現実の株式市場では、投資家が過去の値動きに過剰反応したり、短期的なニュースによって株価が大きく変動したりすることがある。セイラーは、過去に大きく値下がりした株式が、その後に相対的に高い収益を示す傾向などを分析した。これは、投資家が悪い情報に過剰反応し、株価を本来の価値より低く評価する場合があることを示唆する。セイラーは、市場価格が常に合理的であるという仮定に疑問を投げかけ、投資家の心理が株価形成に影響する可能性を示した。

14.市場の過剰反応

セイラーは、株式市場では投資家が最近の出来事を過大評価し、長期的な価値を見失う場合があると考える。例えば、ある企業が一時的に業績を悪化させると、投資家はその悪い状況が長期間続くと予測し、株式を過度に売却することがある。一方、好業績が続く企業については、その成長が永遠に続くかのように期待し、株価を過大評価する場合がある。このような過剰反応が市場価格の変動を大きくし、企業の本来の価値と株価の間に乖離を生む可能性がある。また、投資家は損失を認めることを嫌い、値下がりした株式を長く保有する一方、値上がりした株式を早く売却する傾向もある。こうした行動は、必ずしも合理的な投資戦略とはいえない。セイラーは、金融市場を理解するためには、企業業績や金利などの経済的な要因だけでなく、投資家の期待、感情、過去の経験なども分析する必要があると考えた。

15.市場価格の謎

セイラーは、金融市場の価格形成について、合理的な経済理論では説明しにくい事例を取り上げている。その一つが、クローズドエンド型投資信託の価格である。こうした投資信託は、保有する株式や債券の市場価値から計算される純資産価値を持っているが、投資信託の市場価格が、その純資産価値を下回ったり、上回ったりすることがある。投資家が合理的に判断するなら、同じ資産に対して大きく異なる価格が成立することは説明しにくい。しかし現実には、投資家の期待や人気、売買の需給などによって価格差が生じる。こうした現象は市場価格と基礎的な価値の間に乖離が生じうることを示している。彼は、市場の価格が常に正しいと仮定するのではなく、なぜその価格が成立しているのかを具体的に検証する必要があると主張した。市場は重要な情報を集約する仕組であるが、人間の心理的な偏りから完全に自由な制度ではない。

16.企業経営への応用

セイラーは、行動経済学が企業経営にも重要な示唆を与えると考える。企業の経営者や従業員も、常に合理的な判断を行う訳ではない。経営者は過去の投資に執着して不採算事業から撤退できなかったり、自分の判断能力を過信して過大な投資を行ったりすることがある。また、従業員は賃金の絶対額だけでなく、他の従業員との比較や、処遇が公平であるかどうかによって働く意欲を変える。企業が利益を最大化するためには、単に金銭的な報酬を増やすだけでは不十分であり、人間の心理や社会的な関係を理解する必要がある。企業が制度や組織を設計する際には、人々が実際にどのように判断し、行動するかを考慮すべきである。例えば、複雑な選択を求めるよりも、分かりやすい選択肢を提示することや、望ましい行動を取りやすい仕組を整えることによって、従業員や顧客の行動を改善できる可能性がある。行動経済学は、経済理論の修正にとどまらず、企業の実務にも応用できる。

17.年金と貯蓄

セイラーは、行動経済学の成果を具体的な社会制度へ応用した代表例として、退職後のための貯蓄制度を取り上げている。多くの人々は、老後に備えて貯蓄する必要性を理解しているにもかかわらず、現在の消費を優先し、十分な資金を蓄えられない。これは、人間が将来の利益より現在の満足を重視し、貯蓄を始めることを先延ばしにするためである。セイラーは、こうした問題を解決するために、Save More Tomorrowという制度を提案した。この制度では、従業員が将来の昇給に合わせて退職貯蓄の拠出率を引き上げることを、あらかじめ約束する。現在の手取り収入を減らすことには抵抗があっても、将来の昇給分の一部を貯蓄へ回すことには比較的抵抗が少ない。更に、制度を自動的に実行することで、貯蓄を先延ばしにする問題を減らすことができる。セイラーは、人間の意志の弱さを批判するのではなく、その弱さを前提として、望ましい行動を続けやすい制度を設計することが重要だと考えた。

18.ナッジの思想

セイラーは、ナッジという考え方を発展させた。ナッジとは、人々の選択の自由を奪わずに、選択肢の提示方法や制度の設計を工夫することで、より望ましい行動を促す方法である。例えば、企業の退職年金制度で、従業員が自ら申し込まなければ加入できない仕組よりも、最初から加入する設定にしておき、希望者は自由に脱退できる仕組の方が、加入率を高めやすい。これは、人々が現状を維持しようとする傾向や、手続きを先延ばしにする心理を利用した制度である。ナッジの特徴は、特定の行動を法律によって強制するのではなく、選択の環境を変えることで行動を促す点にある。セイラーは、政府や企業が人々の判断の偏りを理解し、制度を改善することで、貯蓄、健康、教育などの分野で成果を上げられると考えた。

19.英国の政策改革

セイラーは、行動経済学が学問の世界を超えて公共政策に応用されるようになった過程も描いている。特に英国では、2010年に政府内に行動科学を政策へ活用する専門チームが設けられ、行政サービスの改善に取り組むようになった。この組織は一般にナッジ・ユニットと呼ばれ、税金の納付、年金加入、健康管理、公共サービスの利用などについて、人々の実際の行動を踏まえた制度設計を進めた。例えば、税金の納付を促す通知文の表現を変えることで、納付率が改善する場合がある。また、行政手続きを簡素化し、必要な情報を分かりやすく提示することによって、制度の利用率を高めることもできる。セイラーは、こうした政策が、必ずしも大規模な財政支出や強制的な規制を必要としない点を重視する。人々の行動を正確に理解すれば、制度のわずかな変更によって社会的な成果を改善できる場合がある。行動経済学は、現実の人間に合わせて公共政策を設計するための実践的な学問へと発展した。

20.経済学の未来

本書の結論でセイラーが強調するのは、経済学が現実の人間を研究対象とする学問でなければならないということである。従来の経済学は、合理的な人間を仮定することによって、数学的に明確で洗練された理論を発展させてきた。しかし、その仮定が現実の人間の行動と大きく異なる場合、理論は重要な現象を説明できなくなる。セイラーは、経済学が数学や統計を利用することを否定している訳ではない。むしろ、理論を現実に近づけるために、心理学、観察、実際の経済データなどを積極的に活用すべきだと考える。人間は必ずしも合理的ではないが、その非合理性には一定の規則性があり、研究によって理解することができる。経済学がこうした人間の特徴を取り入れれば、消費、貯蓄、投資、労働、金融市場などをより正確に説明できるようになる。セイラーは、行動経済学を経済学の特殊な一分野として残すのではなく、将来的には人間心理を考慮することが経済学全体の常識になるべきだと主張している。

本書が言いたかったこと

経済学は合理的な人間を仮定するだけでは不十分であり、感情や心理的な偏りを持つ現実の人間を研究しなければならない。人間は利益を最大化する計算機ではなく、損失を恐れ、過去の投資に執着し、公平さを重視し、目先の誘惑に負ける存在である。しかし、こうした非合理性は単なる欠点ではなく、一定の規則性を持つため、経済学によって分析できる。人間の判断の特徴を理解することで、金融市場や企業経営をより正確に説明し、年金や公共政策の制度設計を改善できると示した。重要なのは、人間に完全な合理性を求めることではなく、人間の限界を理解し、それでも望ましい選択ができる社会の仕組を作ることである。経済学の目的は、美しい理論を守ることではなく、現実の人間の行動を理解し、その生活を改善することなのである。

座右の書