人を見る目

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感じる目・行動を見る目・魂を見る目

気取りのない話術で鋭く現実を洞察する実業家斎藤一人は、人間関係こそ幸福と成功を左右すると説き、人を見る3つの目を持てと強調する。それは 感じる目・行動の目・魂の目である。まず「感じる目」で相手の雰囲気や空気をつかみ、次に「行動の目」で言動の誠実さや温かさを確認し、最後に「魂の目」でその人が長く信頼できる存在かを判断する。感じの良さは行動に現れ、行動は魂を映す。逆に、雰囲気が荒れた人は行動も乱れ、長期的に付き合えば苦労を招く。人を見る目を持つだけで、関わる相手の質が変わり、人生は大きく好転する。この三つの目は他者評価だけでなく、自分自身を高める指針にもなる。自らが良い雰囲気を放ち、誠実な行動を重ね、魂を磨こうとする姿勢が、最終的に豊かな人生と良き人脈を引き寄せる。良い人と組めば幸運は自然に流れ込む。

感じる目

人間には、言葉以前に相手の「感じ」を受け取る力がある。 雰囲気、表情、声のトーン、場に漂う空気。これらは、人間の本音が無意識のうちに現れる領域である。人は言葉を飾ることはできるが、雰囲気は飾れない。不満や怒り、嫉妬や恐れ、優しさや穏やかさは、相手の波動となって確実に伝わってくる。

斎藤一人は感じが悪い人と付き合う必要はないと語る。感じの良さは、その人が普段どんな心で生きているかの結果であり、無理に作ることはできない。明るさ、温かさ、落ち着き、素直さ。そうした感覚的な要素が、相手の人間性を映し出す。だからこそ、人を見る第一歩は頭で判断する前に、心の感覚で受け取ることが大切である。

行動の目

人間性は言葉ではなく、日常の行動に最も正確に現れる。約束を守るか。時間を大切にするか。目の前の人を大切に扱うか。小さなことを丁寧に行えるか。困難に直面したとき逃げずに向き合うか。これらはすべて、その人の価値観・品性・覚悟を映し出す。

斎藤一人は人は行動で99%わかると断言する。口ではどれほど立派なことを言っても、行動が伴わなければ信頼は生まれない。逆に、言葉の多い人よりも、静かに誠実な行動を積み重ねる人の方が圧倒的に信頼できる。だから、相手を判断するときには、何を言ったかより、何をしているかを見るべきだ。行動は意図を裏切らず、必ずその人の本質を語る。

魂の目

これは、相手の根源的なあり方を見る視点である。魂とは、倫理観、使命感、利他の心、成長しようとする意志。いわば、その人の人生の軸ともいえる。魂の成熟した人は、表面的な成功や損得ではなく、人としての正しさ、温かさ、愛のある行動を選ぶ。立場の弱い人に優しく、嘘をつかず、投げやりにならず、人を尊重し、自分を律する。魂を見るとは、その人がどれだけ他者を大切にできるか、誠実でいられるか。正しい方向に進もうとする心を持っているかを見ることだ。

斎藤一人は魂を見れば、人間関係の失敗はほとんどなくなると語る。能力より人柄、才能より器、瞬間的な成果より、長期的な信用。魂の成熟した人と組む方が、人生もビジネスも確実に安定し、豊かになる。

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