起業成長のパターン

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企業の成長曲線

起業の成長曲線は一般に語られているようには推移しない。実感としては実業家アレックス・ホルモジが述べている、成功に至る「達成の6フェーズ」が的確であるように思われる。

フェーズ1 根拠のない希望

挑戦の最初にあるのは、情報も経験もないまま芽生える漠然とした期待である。まだ努力の代償を知らない段階では、成功は簡単に見えてしまう。希望だけが先行し、現実への理解は未だないフェーズである。

フェーズ2 情報による絶望

実際に行動を始めると知識不足に気づかされる。成果を出している人は、その裏では長い下積みや別分野での成功経験があることが多い。華やかな表面だけを見ていた自分が、現実の重さに気付き始めるフェーズである。

フェーズ3 どん底経験

成果が出ない期間が続く。この報酬のない時間を耐えられるかどうかが分岐点となる。多くの人はこの苦痛に耐えられず、努力が無駄に感じ始める。だがこの時期こそが、未来の成功者にとっては避けて通れない壁である。

フェーズ4 失敗(大半がここで離脱)

ほとんどの挑戦者はここで諦める。「自分には向いていなかった」「努力したから十分だ」と理由をつけ、挑戦を終えてしまう。そして新しいことを始め、再びフェーズ1に戻り、1→2→3→4の無限ループを繰り返す。結果の出ない人の多くはこのサイクルから抜けられない。

フェーズ5 根拠のある希望

継続し、耐え抜いた者だけが到達するフェーズである。明確な結果がはじめて現れ、自信が確信へと変わる。成功までの距離が測れるようになり、行ける気がするのではなく、行けると確信する心境へ変化する。ここまで来れば達成は時間の問題である。

フェーズ6 達成

ブレイクスルーを繰り返し、結果が積み上がる。飛行機が離陸後に加速していくように、成功は加速度的に進んでゆく。行動するほど成果があがり、継続は苦痛ではなく快感に変わる。

突破の鍵

最も困難なのはフェーズ3-4-5の間である。ここを越えられるか否かが成否を決める。乗り越えるための鍵は行動にドーパミンを結びつけることである。努力が報酬ではなく快感になると、人は継続が苦にならない。特に効果的な方法は、最初から自分が自然に続けられる分野を選ぶことだ。苦痛なく没頭できること。それが成功に最も近い資質となる。

成功とは才能ではなく、6つのステップを抜ける持久力の問題である。新たな挑戦を始める者に必ず困難は訪れる。しかし、このプロセスを知っていれば、挫けずに進む確率は格段に上がる。フェーズ3を越え、根拠のある希望へ到達できた者だけが、最終フェーズ達成を掴む。挑戦とはまさに離陸の瞬間のように最初が最も重い。だが離陸さえすれば、あとは上昇していくのみである。

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